私たちの生活の中で「水」は蛇口をひねると当たり前に出てくるものです。最近、自然災害により断水が起きることで水の大事さは感じているものの、時が経てば「水」は当たり前になります。
人間の体はほとんどは水です。性別や年齢で差はあるそうです、体重との比率だと胎児で約90%、新生児で約75%、子どもで約70%、成人で約60~65%、老人で50~55%だそうです。水がなくなることは死を意味し、不浄な水を飲むことも死に直結します。
写真の本は、著者「たけたにちほみ」さんが、海外生活経験による水の重要性や、日本での水のインフラ整備の凄さを感じられ、さらに世界で水で苦労している方を調べていく中で、千葉県の「上総掘り」という井戸掘り工法で開発途上国での水確保に尽力されているNPO法人に目をとめられ、取材して書かれたものです。
NPO代表は大野篤志さんでした。一昨年私がたまたまFacebookで知り合いになった方でした。会社員を長年行って自分の生活や趣味だけに没頭し、プライベートではボランディアすらまともにやったこともない私には衝撃的でした。
私たちの生活の中で、水はダムや川から浄水場に取水され、浄化、消毒され、水道設備により蛇口にまで届きます。この「(蛇口を)ひねるとジャー」がどれだけすごいことかをほとんどの人は知りません。さらに言うと排水もそうです。私たちが生活の中で使った排水、汚水は適切な処理を経て、川や海に流れるように改善され続けています。この仕組みの中には、ポンプをはじめ様々な装置が使われています。
私たちの「命の水」はこれらの機械設備を製造し、現場に設置して運営管理されている方々のおかげで支えられています。余程の災害がない限り、普通に飲める水が蛇口からでるなんて世界的にみても奇跡的なことだと思います。今更ですが、私は水というインフラを支えてきた会社のグループに在籍したことを誇りに思っております。
大野さんは、コロナの影響により、現在は海外活動は中止されておりますが、状況が許せるようになったら、また活動を再開したいとのことでした。そのバイタリティ、心の強さ、優しさの前では、小さい人間である私では到底かないません。